オリンピック・その他競技
差別に抗議するため、
金メダルを川に捨てた最強のボクサーがいます。
1960年、ローマ大会でのボクシング。
ライトヘビー級で金メダルを取ったカシアス・クレイは、
アメリカに帰った後で、川に金メダルを投げ捨てたのです。
アメリカでは、依然根強い人種差別があり、
その抗議だったのです。
「合衆国を一番にするため戦った。
だからソ連、ポーランド選手を破った」
でも、金メダル1個では、
人種差別の壁は突き崩せないことを悟ったのです。
それが捨てた理由です。
4年後、彼はプロボクシングの世界ヘビー級王者となり、
その後、イスラム教に改宗して、モハメド・アリと名乗ります。
“蝶のように舞い、ハチのように刺す”
無敵のボクサーとなりました。
でも、ベトナム戦争での徴兵を拒否。
1967年には、ベルトも剥奪されました。
アリの反論。
「合衆国は、禁固刑か軍隊入りかの選択を迫った。
しかし、もう一つ選択肢があるはずだ。それは正義である」
しかし、彼は禁固5年の実刑判決を受けました。
これは反戦運動の高まりの中で、
無罪に変更されましたが、彼の意志は不動でした。
ベルト剥奪から7年の1974年には、
ジョージフォアマンにKO勝ちして、
再び王者に返り咲いたのです。
衝撃的だったのは、1996年のアトランタ大会。
パーキンソン病のため、腕をふるわせたモハメド・アリが、
聖火の最終点火者として登場したのです。
これには驚きました。
最終点火者モハメド・アリだということと、
パーキンソン病だったという事実です。
難病と戦う人々のためのボランティア活動を
展開していることは知られていますが、
その存在はほとんど知られていなかったのです。
人々の驚きのうちに、サマランチ会長は、
アリに金メダルを与えました。
ローマ大会から実に36年目、
彼は再び金メダルに輝いたのです。



