オリンピック・競泳(水泳)編
1988年のソウルオリンピックの
鈴木大地の金メダルのことをまずは書きたいと思います。
競泳男子100メートル背泳ぎの鈴木大地(21=順大)は、
得意のバサロスタート(潜水スタート)を爆発させ、
55秒05の日本新記録で優勝した話です。
日本選手が競泳で金メダルを取ったのは1972年、
ミュンヘン大会男子100メートル平泳ぎの田口信教、
女子100メートルバタフライの青木まゆみ両選手以来、
16年ぶりの快挙となったのです。
「ひみつ!」
鈴木大地は決勝レースへの作戦を聴かれた時、
そう一言だけ口にしました。
1988年9月24日、ソウルの蚕室五輪プール。
大地は予選を55秒90の3位で通過。
米国のバーコフは54秒51の世界記録を出してトップ通過。
大地の持つ日本記録は55秒32。
1秒近い大差の逆転は、不可能なようにも思えました。
決勝レース
鈴木大地は今まで25メートルだったバサロスタートを、
なんと!30メートルまで延ばしたのです。
バサロとは、
水中に潜ったまま仰向けのドルフィンキックだけで進む技術。
スピードは出るが、体力を消耗するために長く潜ると、
後半のロスにつながるのです。
それでも、30メートル潜ったのです。
「まだもぐってる!、まーだもぐってる!、あがってこない!」
こんな感じのアナウンサーの絶叫がまだ耳に残ってます。
トップのバーコフに体半分遅れてターン。
後半で追いつき、タッチの差で優勝したのです。
「奇跡の金メダル」「大逆転優勝」と、
それはそれは世間には騒がれました。
しかし、本当はすべては作戦通りだったのです。
五輪本番を前にした練習で、
鈴木大地はバサロを繰り返していました。
それも、いつもの25メートルではなく、もっと長い距離を。
バサロを延ばす金メダル作戦です。
鈴木コーチ
「予選のトップはバーコフだろう。
3位以内なら大地にもチャンスがある。
バーコフは精神的にもろく、本番に弱い。
タイムでは負けても、勝負なら勝てる。
バサロを伸ばして逃げ切り型のバーコフにプレッシャーをかける。
前半で差がついていなければ、相手は焦る。
必ず泳ぎのバランスを崩す。
そうすれば、ラスト25メートルあたりで追いつける。
あとはポリャンスキーを含めて3人の争い。
勝負はタッチの差になる」
結果は、その言葉通りになったのです。
バーコフを精神的に追いつめるためには、
隣のコースで泳がなければならない。
競泳は、予選トップが4コース、2位が5コース、3位が3コース
と決まっていました。
だから、予選3位以内が必要だったのです。
予選に弱いと言われていた鈴木大地は、
しっかりと3位に入った。
後は「バサロ延長」を実行するだけだったのです。。。
(日刊スポーツ)
当時はスナックに居て、そこにあるテレビで見てて、
ものすごく興奮しました。
背泳ぎする鈴木大地の両足はやわらかく、
くるぶしからから先をスクリューのように回している
とかいう話を後で聞き、
作戦といい恵まれた体といい、すごいなと思いました。



